福島国際研究教育機構(F-REI)の知見と地域のアイデアを掛け合わせ、新たな価値を生み出す「F-REI地域連携加速化補助金」。

株式会社マスヒロの取り組みをご紹介するシリーズ第3回となる今回は、F-REIで働く職員、インターン生を対象に実施された「モビリティ試乗体験」の様子をレポートします。

■ 舞台は浪江町地域スポーツセンター。F-REI関係者による実証体験

試乗前に増子代表から入念なレクチャーを実施。試乗を希望する方に集まっていただきました。

2026年9月4日、浪江町地域スポーツセンターの駐輪場付近にて、F-REIで働く職員、インターン生など約10名が参加するモビリティの試乗体験会が開催されました。
体験に先立ち、マスヒロの増子代表から全体説明が実施されました。機体の特徴や正しい乗り方と安全性についての丁寧なレクチャーが行われました。

その後、参加者はグループに分かれていよいよ試乗へ。今回試乗用として用意されたのは、第2回のレポートでもご紹介した3種類のモビリティです。
・オンロード仕様でスリムな「YADEA 電動キックボード」
・コンパクトでスマートな「glafit 折りたたみ電動サイクル」
・安定感抜群の「YADEA フルサイズサイクル」

用途や好みに合わせて乗り比べができるよう、多様なモビリティを用意。自分に合った機体を見つけるのも楽しみの一つです。※黄色の機体は、今回の試乗には利用しておりません。

初めて乗車する方でも簡単に操作できるのかという視点や安全性を確認しながら、活発に乗り比べが行われていました。

■ 髙谷 浩樹理事が語る、モビリティとまちづくりの「ポテンシャル」

今回の試乗には、F-REIの髙谷 浩樹 理事も参加し、自らモビリティの乗り心地を体感しました。 試乗後、髙谷理事は「非常にポテンシャルが高いと感じました。これがみんなに浸透したら面白いですね。新しい技術がこうして身近に来ることは、町全体の活性化にとってとても良いことです」と笑顔で語りました。

さらに、F-REIとマスヒロの事業が連携する価値について、2つの重要な視点を示してくれました。

「一つは、F-REIが新たな技術を発掘し、社会へ広める発信地としての役割を果たせる点です。研究と社会実装を連動させて、社会とF-REIが『双方向』に関わり合いながら技術を育てていくプロセスが非常に重要だと考えています。
もう一つは、まちづくりに関する実証の場としての価値です。浪江町はこれから本格的に街の整備が進む場所だからこそ、『街に便利なモビリティがあること』を前提として街全体の設計を検討できます。このような新しい技術『ありき』のまちづくりができるのは、浪江町ならでは、浜通りならではの展開だと言えますね」

自らモビリティに試乗し、そのポテンシャルを体感する髙谷理事。F-REIと地域の連携が生み出す「まちづくりへの波及効果」について語っていただきました。

■ インターン生のリアルな声「車社会の浪江に、新たな選択肢を」

続いて、全国からF-REIに集まっているインターン生たちにもお話を伺いました。

インターン生・Yさん:
「電動キックボードに乗ったのは初めてでしたが、近未来感や非日常感があってすごく楽しかったです!浪江町は車社会ですが、こういう移動の選択肢があったら、もっと町を知ることができると感じました。F-REIには県外から出向してきている人も多いですし、運転が苦手な人でも気軽に移動できるようになるのは素晴らしいですね」

インターン生・Wさん:
「普段は自転車によく乗っています。今回は白い機体(フルサイズサイクル)が安定感があって好きでした。長距離の移動もラクそうです。私はペーパードライバーなので、こういう乗り物があるのは本当に嬉しいです。今後、車よりコスパが良いとなればぜひ日常的に乗りたいですね。学生にとっては、こういう移動手段のほうが気楽で合っていると思います」

「運転が苦手でも気軽に移動できる」と笑顔を見せるインターン生。車社会の浪江町における新たな選択肢として期待が高まります。

■ 増子代表が語る実証の手応えと、F-REIと描く未来

今回の試乗体験を通じ、マスヒロの増子代表は様々な気づきを得たと語ります。
「8月に試乗に取組んだ東北大学生は、約8割が自動車免許を持っていませんでした。そのため、インターン生たちからの『運転が苦手でも気軽に移動できる』という声は、まさに私たちが想定していたニーズそのものでした。
また、F-REIの職員など社会人の方々には自動車に関する社会的な前提を説明する手間がなくスムーズだった一方で、車の運転経験がない学生のほうが先入観がない分、モビリティの操作にすぐ慣れやすいという違いも発見できました。乗る人によって好みの機体がはっきりと分かれたことも、実証としての大きな収穫です」

さらに、髙谷理事のコメントを受け、今後のまちづくりへの意気込みを次のように語りました。
「髙谷理事からいただいた『モビリティありきでまちづくりを考えられる』というお言葉は、私たちが目指す未来と見事に合致しています。F-REIという巨大な知の拠点が誕生する浪江町だからこそ、新しい移動手段を『社会の前提』としたまちづくりを実現できると確信しました。今後は4輪モビリティも含めて、多様な移動手段を考察したいです」

F-REIの役員から学生まで、幅広い層が実際に体験し、その高いポテンシャルを実感した今回の実証。
次回のレポートでは、これまでの数々の取り組みを振り返りながら、株式会社マスヒロが本事業を通じて見出した「浜通りの未来と次なる展望」についてお伝えしていく予定です。どうぞご期待ください!